存在
 
 
 そこに人はいても
 
 誰しも私に気づかない
 
 
 強く痛む胸を押さえてみた
 
 それは驚くほど冷たくて
 
 『人』の温かささえ感じられなかった
 
 
 怖かった
 
 『私』という存在が
 
 ここにあるようで ・・・ないようで
 
 ここにいることを拒んでいるようで
 
 ここにいては いけない気がして
 
 
 そんな私に気づいて
 
 手を差し伸べたのは
 
 『人』の温かさであって
 
 傷を忘れさせるものであって
 
 
 幻や偽りなんかじゃなくて
 
 きっと
 
 私にとって真実(ほんとう)の存在
 
 
 それは
 
 思うたびにあったかくて
 
 たまらなく愛しくて
 
 ・・・何だか儚くて切なくて
 
 
 私が壊れない限りあり続ける『私』
 
 理由なんて存在しない
 
 誰かのために存在してるわけじゃないから
 
 
 いつか消えてしまっても
 
 怖くない・・・ 怖くなくなった
 
 『私』の存在がそこにあったのは
 
 幸せでも 悲しみでも
 
 真実