―涙を拭いて―

あなたが居なくなって、私は暗闇に落ちていった―――
あふれるばかりの涙。
止むことを知らない。
どうしたらいいの?
あなたを思い出すと一番に『なぜ?』という言葉が出てくる。
悲しい―――

認めたくない。
でも、認めなきゃならなかった。
それしか方法はなかった・・・・
私は涙を拭いた。
光がさすほうへと歩き始めた。
そこは温かく、いやなことをも忘れられる―――
“忘れられる”?
忘れられても、また思い出す。
また、涙が溢れ出す。
そんなとき、あなたの“夢”を見た。
『泣かないで、涙を拭いて。忘れられないなら、忘れようとしないでいい。だ
から・・・だから笑って。僕はもう居ないけど、君をづっと見ているから―――』
私はまた涙を流してしまった。
それでも私は、作った笑顔を空に向けてにっこり笑って見せた。
そうしたら、空が笑って返してくれたような気がした―――