-四季の音ー
私にはいろんな音が聞こえる。
春の音、夏の音、秋の音、冬の音・・・・・。
春の音。
春の日差しを浴び、咲き始めた花々を見回す。
鳥たちの声が聞こえてくる。
そこで、耳に手をあてて、そっと目をつぶり、ゆっくり深呼吸する。
すると春の音が聞こえてくる―――
春の音は、ゆったりしていて、心が安らぐ音だった。
夏の音。
日差しがガンガンに照りつくす。
外ではセミの鳴き声がうるさいほど聞こえてくる。
そこで、耳に手をあてて、そっと目をつぶり、大きく深呼吸する。
すると夏の音が聞こえてくる―――
夏の音は激しくて、なぜか元気の出る音だった。
秋の音。
今まで緑だった葉たちは、赤・黄・茶へと変わってく。
夜になると、鈴虫たちの鳴き声が聞こえてくる。
そこで、耳に手をあてて、そっと目をつぶり、ゆっくり深呼吸する。
すると秋の音が聞こえてくる。
秋の音はすずやかで、心が穏やかになる音だった。
冬の音。
空からは白く冷たいものが降ってくる。
鳥や虫たちの声は聞こえない。
そこで、耳に手をあてて、そっと目をつぶり、深く深く深呼吸する。
すると冬の音が聞こえてくる。
冬の音は、なんだか悲しい音。
でも、なぜかあったかい気持ちになった。
それは・・・もうすぐ春の音が来るからかな・・・?